Mrs. Montage TACOMA designed by Ryohei Kazumi WHITE

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Mrs. Montage TACOMA 
designed by Ryohei Kazumi
direction by Hiroki Niwa (Kakuozan Larder)

その日ボクは年に1度開催される“TACOMA FUJI RECORDS”のオープンオフィスに参加すべく吉祥寺に降り立っていた。初めて訪れる街ということ、そしてオフィスの場所を知らないということもあり、数年ぶりの再会となる数見さんと合流してオフィスに向かう約束をしていた。「お待たせ!ニワくん!」待ち合わせ時間を10分過ぎたころ、振り返ったボクの前には数見さんのトレードマークであるエッシャーの帽子とライダースという出で立ちの男が立っていた。(あれ?数見さんってこんな人だったっけというか、ボクのこと“ニワくん”なんて呼んだっけ?時間にも厳しい人だったような。。。) なんてことをぼんやり思うボクを尻目に「さあ!行こう!」と足早に歩きだした数見さんは商店街の中にグイグイと進んでいくのであった。そして、置いて行かれないよう後ろをついていくボク。「さあ!着いた!」商店街を抜けた先に突如現れる街の景観に違和感を残す2階建て古いロッジ風の建物。その中に迷わず入っていく数見さん。そして、気を取り直して建物に中に入るボク。待ち合わせ時間に遅れていた事もあり、オフィスの中はすでに沢山の人でごった返していた。すっかり忘れていたが、“TACOMA FUJI RECORDS”の渡辺さんに直接会うこと自体が初めてであった。渡辺さんを探して建物の中をふらふらと歩いているボク。「あそこにいるのが渡辺さんだよ」数見さんが1人の男を指さした。「そんな事よりワインを飲もう」とグラスに赤ワインを注ぐ数見さん。ボクの認識では全くの下戸だった数見さんだが、出会ったこの日は着いた先からよく飲んでいた(ボクも下戸なのでシンパシーを感じていたので間違えはないはずである)。すると、渋い顔をしているボクを余所に次々とグラスをあけてしまった。そんな数見さんから離れ、さっき教えてもらった渡辺さんを探しに会場を歩いていると、「飲まないと渡辺さんに怒られるよ」と数見さんがまたワインを勧めてくるのであった。不慣れな場所と違和感を感じる人たちにのまれてしまった、全くの下戸のボクは一口だけワインを飲んでみた。何年かぶりに口にしたアルコールでブワッとする脳を感じつつ、人と人の間に見えた渡辺さんに近づいていった。そして客人と談笑する渡辺さんの背面に立ったボクは会話の隙間を狙って「渡辺さん、はじめまして」と声をかけた、そして静かに振り返った渡辺さんの顔を見てボクは目を疑った。。。

「丹羽さん。おはようございます。」
その言葉で目を覚ましたボク。前日もハンバーガー屋をこなし深夜バスに飛び乗ったということもありほとんど睡眠が取れていなかったボクは吉祥寺駅前のベンチで居眠りをしてしまったようであった。そんなボクを優しく起こしてくれたのは待ち合わせ時間の少し前、トレードマークであるエッシャーの帽子とライダースという出立ちの数見さんはまごうことなく数見さんであった。さっきまでの夢のような体験を話ししながら住宅街を抜けて到着した近代的な建物。3階建の2階右側の扉が“TACOMA FUJI RECORDS”のオフィス。早めに到着してしまったボクたちは扉の前でどうしようかと相談をしていた。すると、扉がスッと開き中からSNSで見た通りの渡辺さんが顔出して「数見くん、丹羽くん、わざわざ来てくれてありがとう!」と優しい笑顔で招き入れてくれた。「数見くん、丹羽くん、何か飲む?」とドリンクを聞かれ、「コーラお願いします」とボク、「赤ワインお願いします」と数見さん。エッ、と思うボクは数見さんの顔を振り返り見て青ざめた。「お待たせ」冷蔵庫からドリンクを運んできてくれた渡辺さんの顔を見てさらに青ざめた。。。


ジリリリッ、ジリリリッ!
出前の注文を告げる黒電話の音で気づいたボクはハモニカ横丁の餃子屋に居た。ピロンピロン、ピロンピロン。ボクのiPhoneも鳴った「丹羽さんどこにいるんですか?」電話の主は数見さんだった。ボクはすぐに数見さんと合流し、駅前のコメダに入店した。今日起こった出来事を忘れないうちに数見さんに全て話した。そして、忘れないうちに今日会った渡辺さんと数見さんのモンタージュを作ってもらった。オーダーを受けにくる店員。「アイスコーヒーをイリで」とボク。「じゃあボクは赤ワインで」と数見さん。「いや、コメダにワインはないでしょ」と笑うボク。「いえ、御座いますよ」と店員。エッ。と思って見上げた店員の顔を見てボクは青ざめたのであった。。。

このTシャツはボクが実際に体験した不思議な出来事の登場人物を数見亮平さんにデザインしていただいたものです。
text by Hiroki Niwa (Kakuozan Larder)
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